203 :名無しのオプ :2006/12/18(月) 22:29:42 ID:PnWhA04q
また一人房から消えた。あの扉の先には何が待っているのだろう…光か…それとも死か…。
おれは今薄暗い監房にいる。外からは他の受刑者の泣き叫ぶ声や奇声が絶えず聞こえてくる。
しかし、いったいおれが何をしたっていうんだ?自分が何故ここに入れられたの
かサッパリ分からない。確かにここに来る前のおれはお世辞でも優等生ではなか
ったし、盗みや喧嘩だってしたことはある。
けれども、もうここに来て何の説明もないまま2年になる。明らかに異常だ。
忍耐強いおれでもおかしくなりそうだった。
そんな中でのゆういつの楽しみは隣房のジョンの話を聞くことだ。
幸いなことに看守の目はゆるかったので会話は自由にできた。
ジョンはお調子者で、子供の頃のおもらしの話や、近所の公園のガキ大将の
話など面白おかしく話してくれた。その度におれは腹の底から笑った。
こうやってなんとか平静を保てているのはジョンのおかげである。
恥ずかしくて声に出しては言わないが、ジョンには感謝の気持ちでいっぱいだ。
204 :名無しのオプ :2006/12/18(月) 22:30:22 ID:PnWhA04q
…コツ…コツ…ガチャ…看守がやってきた、受刑者の叫び声がいっそう激しくなる。
…コツ…コツ…コツ…看守が目の前を通りすぎた。と同時に足音が鳴り止んだ。
…まさか!?…ジョンの監房だった。
看守はジョンを監房の外へ出し慣れた手つきで鎖で縛った。
もう何度も見てきた光景である。看守とジョンが目の前を通りすぎる。
看守の顔には不気味な笑みがうかがえる。
ジョンが一瞬こちらを見た。目には涙を浮かべている。
よく見ると身体が小刻みに震えている。怖いのだ。
おれは何か声をかけようとしたが声が出なかった。
…コツ…コツ…コツ…ガチャ…看守は扉を開けた。
ジョンが最後にもう一度おれのほうを振り返った。涙はなかった。
おれは堪えきれず泣き叫んだ。
あおーん、わんわん、わん、あおぉーん
普通の血統書付きのイヌが、
引っ越すから
彼氏できて寂しくなくなったから
うるさいから
咬むから
って理由でバンバン捨てられてる。
年間殺処分頭数、犬猫で50万ぐらいだったか。
俺、来世は巨神兵になって人類を滅亡させるんだ・・。
あと2週間弱で核戦争フラグが立つかもしれないから安心しろ
保健所で2年は確かにおかしいけどペットショップで薄暗い場所に2年、
しかも隣の監房には子供の頃の話をする奴がいるんだから。
長期観察用実験動物という可能性もある。
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