このヘッドラインはNEWs保存道場が気まぐれでお勧めブログを紹介してます。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
741 :名無し職人 :2007/02/10(土) 15:52:14
今年は暖冬です。
雪が降りません。
地上のみんなが暮らしやすいようにと考えて、雲の上の神様が気を利かせてくれたのでした。
でも土の下の神様はちょっと怒っていました。
春に飲める美味しい雪解け水を楽しみにしている木々達が、毎日ため息をついてばかりで可哀想だからです。
ある日土の下の神様は、雲の上の神様に直接お願いに行くことにしました。
「そろそろ雪を降らせてもらえないかな」
でも雲の上の神様はむっとした様子で答えました。
「嫌だね。そんなことをしたら地上のみんなが苦労するじゃないか」
土の下の神様がどんなにお願いしても、雲の上の神様は頑として聞き入れてはくれません。
「とっととお帰りよ。君がいると土臭くてかなわない」
その言葉を聞いた土の下の神様は、遂に怒りが抑えきれなくなりました。
雲の上の神様を引きずり倒すとその上に馬乗りになり、岩で出来た拳で何度も何度も殴りつけました。
3日3晩殴り続けて、ようやく土の下の神様の怒りが収まった頃、雲の上の神様の顔は元の3倍くらいに膨れ上がっていました。
我に返った土の下の神様が慌てて謝ろうとすると、ゆらりと起き上がった雲の上の神様は言いました。
「親父にも殴られたことなかったのになぁ・・・」
目一杯口を尖らせて言う様子が水木しげるの描く何かのようで、土の下の神様は思わず噴き出してしまいました。
「そうそう。君は笑っている方が似合うよ」
「殴ってごめんね・・・」
そして二人は仲直り。
結局この冬、雪は降りませんでした。
« やった!雪だ!鎌倉つくるぞ! l ホーム l 再テスト »