409 名前:○○ 投稿日:02/09/08 11:39
母の葬儀から数日たったある日 遺品を整理していたら育児日記が出てきた
中には幼い頃の俺のことが書いてあった
○月×日
今日はミルクをたくさん飲んだ
×月△日
今日はお風呂に入れた 気持ちよさそうだった
♂月♀日
今日は・・・
日記を読み進めていくウチに俺の目に涙がにじんできた
そして日記は7冊目の終わりに入り、日記の中での俺は5歳になっていた
10月9日
○○(俺の名)を連れて買い物に出かけた
街路樹からは色とりどりの落ち葉が舞い ○○はそれを一生懸命追いかけていた
○○が一枚の落ち葉を私に差し出した イチョウの落ち葉だった
「おかーさんにあげる」と舌足らずな声で喋りながら私の手にイチョウを持たせてくれた
私が「なんでくれるの?」と聞くと「きれいだからおかーさんにあげる」と答えた
自分の息子とは言えプレゼントを貰うのは嬉しいものだ ○○に「ありがとう」と言うと
ニカッと嬉しそうに笑った この子はホントにいい笑顔をする
そこで7冊目の日記は終わった 俺は全く覚えていない出来事だった
日記の最後のページにはしおりが貼り付けてあった
そのしおりには一枚のイチョウが封されていた そしてその下にこう書かれていた
「○○からの大切な思い出」
・・・俺は・・・声を出して泣いた・・・いくら泣いても涙は止まらなかった・・・
しおりは今もパソコンの脇に飾られている・・・