704 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/03/12(木) 18:26:53 ID:ALK/TcaW0
最初は皆きょとんとして川の向こうに人影を探している様子だったが、
あんなにハッキリとAが見えているのに見つけられないようだった。
そのうち誰かが「あ~そういう事か~」と言って、
皆で爺ちゃんを担ぎ上げて、
「お前はあいつのところまで行ってこい!」とか、
「しっかり泳げよ!」
と言いながら慌てる爺ちゃんを川に放り投げたそうだ。
爺ちゃんは怪我人に酷い事をするもんだと思ったが、
あの退却でAも助かったんだと思うと嬉しいので痛みをこらえて川を泳いでいった。
向かいの川岸ではAが自分の名前を呼び続けているので、
声を頼りに近づいていくと急に激痛がはしり、
しまったワニか??と思ったらしい。
激痛で意識が飛びそうだと思ったとき、今度はベッドの上で気がついた。
さっきまでいた所ともまた違うどこかの友軍の陣地。
爺ちゃんは激痛をこらえながら衛生兵に聞いてみると、自分の目指していた陣地よりも更に先の場所だった。
衛生兵に「君の隊は大変だったな、背負ってくれた仲間に感謝しろよ。」
って言われて、爺ちゃんは色々聞こうとしたが、
今は寝ていた方が良いと取り合ってはくれなかった。
705 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/03/12(木) 18:28:07 ID:ALK/TcaW0
次の日、爺ちゃんは痛みと疲れでぼんやりとしているところにAが訪ねてきた。
Aは開口一番「お前は隠れて何か喰ってたのか?重かったぞ。」
って笑いながら嫌味を言ってきたそうだ。
爺ちゃんはAが運んでくれたんだと思いながら、
これでも痩せたんだと言い訳をした。
言い訳をしながらも心に引っかかる言葉が言い出せずにいると、
Aの方から「ウチの隊は今の所7名だ」と言った。
爺ちゃんはあの川岸で会った何名かの名前を口にしたが、
Aは上げた名前の人は誰も来ていないと言った。
そして今この陣地に居るのは、Aに聞いたところあの川岸に居なかった人たちだったそうだ。
爺ちゃんはこの話をしたときに最後にこんな事を言っていた。
「戦場に行けば死に花咲かさなきゃいかんとか話にはなるけど、やっぱ戦友には生き残って欲しいものだよ。みんな同じ気持ちだよ。」
爺ちゃんは8年前に亡くなってしまったが、あっちでは川岸の戦友さんと仲良くやってんのかな?
終わり。怖くなくてスマン。
だよなあ。なのに3分の2もあっちに行っちゃって、しかも助けてくれて。ヤバイ今、鼻水出るくらい泣いてる…。
てか戦時ってこういう話よく聞くよな。。。
何か関係あんのかな。
不思議だよねー。自衛隊は怖い話が多いもんねw
しかし、不思議且ついい話だなぁ。
いい話ではあるけど、戦争は絶対したくないな
ワラタ話の比率が高いブログのくせに、
印象に残るいい話と泣ける話が多いな。不思議タグの意味はいまいち理解出来ないけど。
>>42908
サラっと文句言うな。
向こう岸に生者の声は届くんだね…。
生き残れるように送り出してくれた戦友に泣けた(;ω;)
あー、そういうことか、って言うのん気さが逆に涙を誘うわwww
でももし俺が爺ちゃんの立場で、
自分を生き返らそうとしてるのがわかったら
「またあの苦痛と殺し合いの世界に戻さないでくれ
この和やかな空気の中、お前らと一緒にいさせてくれ」
と懇願してしまってたと思う
今だったら川岸の人が「なんでお前だけ」とか言って離してくれなかったり・・・
だから亡くなった人も快く送り出したんだろうね
うちの曾爺ちゃんも戦争行ったんだけどさ、
戦場ではあの世がすぐそばに来るんだってさ
だからじゃないかな