602 :ほんわか名無しさん :2006/11/03(金) 15:16:15 0
「さあ読んでください」
「ぼくのお父さん」
「僕のお父さんはいません。幼稚園の時に車にはねられて死んだからです。
だからお父さんと遊んだのもどこかへ行った事もあまりありません。
それにお父さんの事もあまりおぼえていないです。
写真があるのでみましたがおぼえていないです。
だからおばあちゃんとお母さんのことをかきます。
お母さんは昼間しごとにいってお父さんののかわりに働いています。
朝はやくから夜おそくまでいつも働いています。
いつもつかれたといってますが甘いおかしやたいやきを買ってきてくれるので
とてもだいすきです。
おばあちゃんはげんきで通学路のとちゅうまでいつもいっしょに歩いてきてくれます。
ごはんはみんなおばあちゃんが作ってくれてとてもおいしいです。
お母さんが働いているので父兄参観の時にはおばあちゃんが来てくれます。
みんなはおまえの母ちゃんババァなんだとからかってくるのではずかしったけど
でもとてもやさしいいいおばあちゃんです」
603 :ほんわか名無しさん :2006/11/03(金) 15:40:12 0
「だからお父さんがいなくても僕はあまりさびしくありません。
お母さんとおばあちゃんがいてくれるからです。お母さんはお父さんがいなくて
ゴメンねと言ったりするので早く僕が大人になって仕事をしてうちの家族のお父さん
代わりになってお母さんとおばあちゃんの生活を楽にしてあげたいと思います
だからおばあちゃんには長生きしてねといつもいっていて、お母さんにはいつも
肩をもんであげています。二人とも泣いたりするのですこしこまるけどそんな
お母さんとおばあちゃんが僕は大好きです。」
一気に僕はしゃべった。先生には死んだお父さんのことを書けばいいのにと
言われると思ったしクラスの子達からはおまえお父さんがいないのか?
もしかして捨て子だったんじゃねえか?とまたイジメられるのかなと思ったりしていた。
顔をあげる事もできなかった僕は救いを求めるように先生の顔を見てみた。
先生は立ったまま泣いていた・・・
604 :ほんわか名無しさん :2006/11/03(金) 15:58:42 0
先生だけではなかった。他の子たちもみんな泣いていた。
僕が始めて好きになった初恋の子は机にうずくまって泣いていた。
イジメていた子たちもみんな泣いていた。
でも僕にはなぜみんな泣いているのか分からずにいた。どうして?
お父さんがいないからお母さんとおばあちゃんの事を仕方なく書いたのに。
どうしてみんな泣いているのだろう?
「〇〇君・・・」
「はい・・・」
「先生は人の心が分からないダメな先生でした。ゴメンなさい。世の中には
親御さんのいない子もいるのにね。そういう子たちの事も頭になくてお父さん
の事を書いてだなんてあなたの事も知らなかったとはいえ本当にごめんなさいっ!」
先生は顔を覆ったまま泣き崩れていた。
それがその日起こった出来事だった。
605 :ほんわか名無しさん :2006/11/03(金) 16:17:48 0
次の日からなぜかイジメられなくなった。
相変わらず口悪くからかったりはされたけど殴られる事はなくイジメのリーダー格の
子に遊びに連れていってもらえるようになった。
先生はその後の家庭訪問でその日の出来事をおばあちゃんに話して謝っていた。
作文の事は僕は話もしていなかったので少し怒られたけど話を聞いた母も
今は亡くなったばあちゃんもうれし泣きみたいなくちゃくちゃの顔で叱ってくれた。
僕も立派な、人に誇れるような仕事はしていないけど家族のおかげで
一人前の大人の男にはなれたとは思う。
大人になった今でもその時の事はなぜか覚えいるし
ふと思い出したりもする。これが僕がかける自分の思い出です。
私的な事を長々書きすぎましたね。でも読んでくれた方には
「ありがとう」と言いたいです。
まっすぐに育ったんだね…
いい話だけど
人に誇れるような仕事をしてないってのが気になった。謙遜でも、そこは誇りもってほしいね。
卒業式の日とかに今まで書いた作文とか絵とか渡されるだろ
それを大事に取っておいたんじゃね?
さすがに10年以上前の作文の内容なんて覚えてたら変態だろ
・・・入学時に作成し、進級ごと更新する家庭調書というものがあってだな。
小学校で「お母さんがする仕事を朝と夜に分けなさい」ていうテスト問題が出て
母親が働いてる家の子が「夜」の欄に「洗濯」って書いたら×をもらった
っていう話を見たことがある
3学期に個人懇談した時心底驚いてた…