376 名前:Mr.名無しさん[] 投稿日:2008/09/19(金) 19:58:00
それは小さな折鶴だった。漏れはそのまま部屋に入り、色々な話をした。
病気で幼稚園にいけなくなったこと、ピアノのお稽古が嫌いなこと、来年から小学校にあがること。
折り紙は看護婦さんが教えてくれたらしい。
漏れは夏にとある国家試験をひかえていたのでユカちゃんに
「ユカちゃん折り紙が得意だったら、お兄ちゃんにいっぱい鶴を折ってよ。
夏に大事な試験があるんだ。」てお願いした。
たぶんユカちゃんは「試験」の意味も分かってなかったと思う。
でも、最高の笑顔で「うん」て答えてくれた。
「約束だよ、指きりしようね」漏れは指切りをして、部屋を後にした。
そして、それがユカちゃんを見た最後の時だった。
次の当番の日、お見舞い道具一式を持ってじいちゃんの病室に行った。
そのとき漏れは約束のことなどすっかり忘れていた。
じいちゃんに着替えを届けて、話をして、帰ろうと思ったとき一人の女性が声をかけてきた。
「○○○さんのお孫さんの方ですか?」
見たこともない人に声をかけられた漏れは少し驚いたが「ええ、そうですが。あなたは?」と答えた。
するとその女性はこう答えた。「ユカの母です。」その表情に漏れは何かいやなものを感じた。
漏れの予想通りだった。
ユカちゃんは漏れが帰ってから二週間後に亡くなったそうだ。
ユカちゃんのお母さんは一通り話を終えると持っていた紙袋からあるものを取り出した。
それは透明なビニール袋にいっぱい入った折鶴と手紙らしきものだった。
お母さんはそれを渡しながらこう言った。
「○○○さんが来た次の日から妙に張り切って折り紙を作るようになったんです。
それに○○○さんのおじいさんに字を教えてくれって頼んだらしいです。
おじいさんが理由を聞いたら『手紙をかくんだ』って。」
漏れは袋を開けて中の紙を取り出した。
案の定手紙だった。たどたどしい字で「がんばってね、ユカ」とだけ書いてあった。
それを読んで漏れは病院の待合室で人が大勢いるにもかかわらず大声で泣いた。
お母さんも一緒に泣いた。
しばらく泣いた後、お母さんは一言「ありがとうございました」といって席を立った。
漏れはこの夏、5歳の女の子の力一杯の応援を背に試験を受ける。
ありがとう、そしてさようなら。
しかし泣ける話だな夏は終わったが大丈夫だったのか?
仕事中に泣いてるおっさんの立場が…
この人も受かって女の子も天国で楽しく過ごしてるといいな。
普通に泣ける話じゃないか。
(-人-)
小児と老人が同じ病棟になることも実際はほとんどない。
両方が重複することはまずありえない。
いい話なだけに残念だ。
その顔文字覚えといてやる。
名前欄にそれがあったらその※は読まん
成人の病室がいっぱいのときに、小児病棟に空きがあると、じいさんばあさんが入ってくることはよくあります。
小学校未満の児だと、両方のご両親の了解を得た上で男女同室もあり得ます。
じいさんばあさんと女児、男児が一緒の部屋ってことは今でも普通にあるんですがw。
年配の患者さんは「子供の声が聞こえてくる方が気晴らしになる」って喜んでくれる方もいるし、プレイルームで患者のじいさんばあさんが入院中の患児の「子守り」みたいなことしてくれることもある。
すっごい大病院なら病室が被ることはないと思いますが、中小規模の病院だと混合病棟で、小児成人入り混じってることも普通にある。
これが病院の実情。
自分の偉さをさらけ出すはずが自分の無知さをさらけ出してしまったね
ざまぁwwwww