189 名前:27[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 23:52:46 ID:QaAnjMUq
スレ違いの続き、スマソ
多分これで終わりだから。
流れていった爺ちゃん。
町内会の人を婆ちゃんが呼んできて、懸命の捜索をしたにも拘らず、爺ちゃんは見つからず。
婆ちゃんは『告白されていきなりこんな別れなんて有りか!?』と嘆いたらしい。
日が傾きかけていたのですぐに日が沈み、その日の捜索は打ち切られた。
家に帰った婆ちゃんは頭の中真っ白で、布団に倒れこんで泣いてたらしい。
深夜二時。
柱時計の鐘の音で婆ちゃん目を覚ました。
夢現だったので、よく分からなかったが遠くから足を引きずる音が聞こえた。
なぜか直感で「あ、○○(爺ちゃんの名前)だ…」と思ったらしい。
でも、今は草木も眠る丑三つ時…。
もしかしたら爺ちゃんが一人じゃ寂しいから迎えに来たのかもしれない、
婆ちゃんは思って塩を持って玄関の石畳で待ち構えてた。
ずるぅー、べしゃ…、ずるぅー、べしゃ…。
足音が遠くから、家の前まで来て止まった。
うっすら月明かりで玄関の擦りガラスの引き戸に、人影が写った。
紛れも無い、爺ちゃんの影だったらしい。
恐る恐る婆ちゃんは引き戸の鍵を開け、身構えた。
爺ちゃんらしき影は、引き戸の鍵が外れると同時に引き戸を開けた。
婆ちゃんは開いた瞬間に、握っていた塩を影にぶつけた。
そうしたら、影がこう言った。
影「お前を嫁に貰わんと、死んでも死にきれん…」
190 名前:27[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 23:53:36 ID:QaAnjMUq
長かったので >>189 の続き
影はやはり爺ちゃんだった。
足に巻いてたゲートル(包帯みたいな奴)が解けて、引きずりながら海の方から戻ってきた。
婆ちゃん、ほっとして泣き崩れたらしいよ。
でも、爺ちゃんも泣きそうになってたらしいけど、頑固だから照れ隠しに怒ったらしい。
以下、爺ちゃんと婆ちゃんの話より
爺「ふん、お、お前の為に戻ってきたんじゃない、これからのわしの家族の為に戻ったんじゃ!」
婆「…はい。」
爺「いや、でも、まあ、あれだ。わしはお前のこと考えたら口から心の臓が出そうになる…」
婆「私もです…。」
爺「…。」
婆「…。」
爺「その、あのだな、…心配かけてすまなかった……。」
婆「グスグス…。」
爺「ええい、もう泣くな!わしは死なん!御国の為に、お前の為に、必ず生き抜く!」
婆「……はい。」
爺ちゃんと婆ちゃんはその後結婚。
誓いの言葉通りに爺ちゃんは満州で終戦を迎え戻ってきて、婆ちゃんと結婚生活を送り一男一女を儲け、今に至る。
今爺ちゃんは、孫の俺と妹を見ると目がへの字になってものすごく可愛がってくれる、昔の頑固さなど微塵も感じない。
けど、婆ちゃんを思う気持ちは昔のままだなとすごく感じる。
こんな夫婦になりたいな
何度も読み返してしまった
男はしっかりしていて、女は一歩下がっておしとやか。
理想、在るべき姿だなぁ~
こういう夫婦っていいな。
俺には決して手に入れられることの無い(´・ω・`)
幸せだお(´・ω・`)
ビシッと言ってのけてるんだよな。
漢じゃのう。
しかし殺る(除霊する)気満々だぞ
爺ちゃんらしき影は、引き戸の鍵が外れると同時に引き戸を開けた。
「破ァ!!」
背後から声が聞こえた。隣に住んでいる寺生まれの丁さんだ。
丁さんが放った光球は、爺ちゃんの体を木っ端微塵に吹き飛ばした。
「やれやれ、いよいよ明日出兵だってのにおちおち眠れやしねえ」
そう言うと丁さんは振り返りもせずに黙って去って行った。
やっぱり寺生まれは凄い、婆ちゃんはそう思った。
流石Tさん・・・と思ったら丁さんかよw
それにしてもいい夫婦だ
いい話だ。
そうなんだが、その男のプライドのせいで
爺は川を流れて行ったわけで…w