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323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/14(日) 19:55:38.17 ID:EcUaHjHS0
ニューヨークの郊外にその喫茶店はあった。
店の名前と
“水曜 定休日”
とだけ書かれたぶっきらぼうな看板の奥にひっそりと佇む。
店のマスターは無口で頑固。
その店のジュークボックスには
マスターが好きな、イギリス出身で世界的に大ブレークした、
今はもう解散してしまったグループの曲しかない。
ある年のちょうど今くらいの季節。
その日は昼下がりに突然大雨が降り出した。
通りには濡れながら急ぎ足で行き交う人々。
その中の1人が店に入ってきた。
全身が濡れそぼり寒さでガタガタ震えるその男は、
マスターが好きなバンドのメンバーの1人だった。
おそらくその事に気付いたのであろう。
マスターは一瞬目を見張り動きを止める。
しかしすぐに手馴れた作業に戻り、
注文されたコーヒーと乾いたタオルを差し出す。
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/14(日) 19:55:54.97 ID:EcUaHjHS0
身体を拭き、眼鏡をふき、コーヒーを飲みながら店内を見回す男。
店の隅に佇むジュークボックスに目を留める。
自分がやっていたバンドの曲しか入ってない事に気付いた男は
照れくさそうにコインを取り出し、曲を演奏させる。
流れ出した曲を聴きながら男は
自分たちが走り抜けてきた青春時代を懐かしむように目を閉じ、
ゆっくりゆっくりとコーヒーを飲んだ。
何曲か聴き、コーヒーを飲み終えて店を出ようとする男に、
マスターは黙って傘を差し出した。
外はまだ雨が降り続いている。
男は受け取り、礼とともに笑いながら言った。
「今度雨が降ったら返しに来るよ。」
しかし、男が傘を返しに来ることはなかった。
それから数週間後、男は自宅前で凶弾に倒れたのだ。
それから20数年が経った今でも
その喫茶店は同じように看板の奥に佇んでいる。
年老いたが相変わらず無口なマスター。
ジュークボックスも同じバンドの曲ばかり。
店の中は何一つ変わっていないが、
看板に書かれてる文字はいつからか変えられていた。
“水曜 定休日
ただし、雨の日は営業いたします”
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とともに、切ない話だなあ…
今度雨が降ったら、この話を思い出しそうだ
この作者には最高の賛辞を送りたい
水曜 定休日って看板の店出してるおもしろい話かと思ったw
疲れてんのかな寝よう
よう俺
ワロタ系かと思ったら不意打ち食らったわ…