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52 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 00:26:31 ID:U49kr7lW
お城の乞食
肥前にある歌舞多城には、城の近くに乞食が住んでいた。家臣から、
「みっともないので追い出してしまえ」との声もあったが、
城主、大村筑前は、それもかわいそうだと、なんとなく許していた。
この歌舞多城が、後藤貴明の軍勢に攻められた。大村側は硬く城に篭り、
戦線は膠着した。
さて、この歌舞多城の城兵に、込屋玄蕃と言う男がいた。彼は大の博打好きで、
籠城の最中にもかかわらず、ちょくちょく城を抜け出し、後藤領にある博打場へ
双六を打ちに行っていたのだ。
ある夜、いつものように玄蕃が博打から帰ってきた。酷く負けが混んだらしく、
気が立っており、城へ続く道の側に寝ていた乞食を「失せろ!」と蹴飛ばした。
そこからしばらく歩いていると、何者かが近づいてきた。後藤方の者たちであった。彼らは
歌舞多城の城兵が博打に出入りしている事を知り、彼に接触してきたのだ。
「我らの合図と同時に、城門を開くのだ。そうすれば博打の借金も帳消しにし、
さらに褒美として、欲しいだけの銭もくれてやろう。」
玄蕃は、承知した。
約束の夜。後藤勢はひそかに歌舞多城の城門前に集まった。そして秘密の合図を送る。
するとかねてよりの約束どおり、城門が開いた。この城はもらった!そう思ったとき、
城の中から軍勢の前に、何かが投げ込まれた。込屋玄蕃の首であった。
城門が開ききると、そこには、完全に武装した、大村筑前をはじめとする大村勢が
待ち構えていた。
「おぬしらの企み、それを聞いた乞食が逐一我らに教えてくれた!
汚い者どもめ、討ち果たしてくれる!」
驚く暇こそあれ。大村勢は一斉に突撃をかけた。後藤勢は何も出来ず蹴散らされ。
壊乱した。
戦後、大村筑前は乞食に褒美を与えようとしたが、乞食は「殿様に頂いたご恩を、
少しお返ししただけでございます。」と、それを断ったという。
« ただ今、焼き芋が焼きあがりました l ホーム l 雑草係 »
乞食同士で互助組織つくって、すりやかっぱらいどもと連携して稼ぐこともあるし。
そういう役に立たないやつは、乞食の中でもつまはじきにあうもんだ。
知ってるのは本人と城主だけ、みたいな
近代法治国家の中では、な。
職業と言うと語弊があるかもしれないが、すりや盗賊などにも互助組織みたいなものがあって、まともな社会からドロップアウトしたものたちの受け皿になっていた。まあ、ちょっと前の時代までのヤクザみたいなものだ。
>11914
乞食のフリをした隠密、というのは、時代劇好きには心惹かれる設定だな。