181 名前:165[sage] 投稿日:2008/02/25(月) 22:46:21 ID:bg+5s1AL
芋鍋(2)
さて、その日がやって来た。直孝にしてみれば、憧憬の的であった
武将達が集まり、ざっくばらんに語り合っている贅沢な酒宴だ。
ある者は手柄を立てた時の話、ある者は戦の仕様を考証し、ある者は
名高い武将と戦った時の思い出を語っている。一つ一つの話に直孝は
感銘を受けていた。
宴もたけなわとなった頃、大鍋が運ばれてきた。鍋の中には、よく
煮えた芋が入っていた。皆が思い思いに椀に取り分け、黙々と食べは
じめた。芋の入った椀が直孝にも廻って来た。一口食べた直孝は驚い
た。まったく味が無いのだ。それどころか、まるで泥を食べたような
土臭さであった。思わず直孝は言った。
「申し訳ございませぬ。この芋は、私には少々味が足りぬ様でござい
ます。塩か醤油はございませぬか?」
すると老臣は箸を置き、直孝に向き直ってこう言った。
「実はお主を誘ったのは、この芋鍋を食べて欲しかったからじゃ。」
182 名前:165[sage] 投稿日:2008/02/25(月) 23:24:37 ID:bg+5s1AL
芋鍋(3)
老臣は続けた。
「家康公の若き頃は、我らは毎日このような味も無い芋鍋を
食べていた。そして今も徳川家のために働いてくれる足軽達、
田畑を耕す農民達の中には、この芋鍋すら満足に食えぬ者も
いる。我らはその事を決して忘れぬよう、こうして集い、芋
鍋を皆で食べているのだ。」
さらに老臣は続けた
「これからはお主のような若者が、徳川家の政事の中心となる
であろう。だからこそ、お主に伝えたかった。我らの手柄や戦
の仕様、ましてや、もうこの世におらぬ武将の話などでは無い。
この芋鍋の味を決して忘れてくれるなよ。」
直孝は芋をたいらげると、老臣達に深々と頭を下げ、言った。
「この味、生涯忘れませぬ。」
他の徳川四天王をはじめ、徳川創業の功臣の二代目が次々と冷遇
粛清されていく中、直孝は幕府の信任厚く、彦根藩主そして大老と
出世し、後に名君として歴史に名を残す事となる。
彼が名君となりえたのは、芋鍋の味を忘れなかったからかもしれない。
~終わり~
戦国時代の頃はサツマイモもジャガイモも無かった。
サトイモや山に自生した自然薯、ヤツガシラみたいなイモを食ってた。それを塩水で煮たり、火に放り込んで焼いたりして
食ってた。
しかも現在の我々が食ってる品種は改良されたもので、
ほとんどのイモは灰汁が強く、味もイマイチなもの。
そうとう泥臭かったと思うよ。
<=( ´∀`) 「一方、日本の現首相ときたら…。」
庶民感覚がないって意味ならその通りじゃない?
というか麻生支持者では政治家に庶民感覚なんていらないって言う意見が大勢だと思うけど。
志を忘れないことと処世の付き合いを一緒にしてる馬鹿がいるな
立場がまるで違うよ。
芋鍋食わせて、或いは死ぬまでこき使ってボロ儲けしたんだからね。
もちろん働いてたのは韓国人だけじゃないだろうけど。
冷遇粛清された他の二代目達より目をかけられてたんじゃないか