511 名前:仕様書無しさん[sage] 投稿日:2009/02/17(火) 21:52:22
ある女が、気球飛行中に風で地図を飛ばされてしまった。目視では進むべき方向が
わからなかったため、仕方なく、眼下を歩いていた男に呼びかけた。
「すみません、ここがどこだか教えていただけませんか。一時間前には戻っている約束を
しているのですが、迷ってしまって・・・」
男は、こう答えた。
「あなたがいる場所は、ざっと見て地上三十メートルほどの上空です。位置としては、
北緯三十六度三十分と三十五分の間、東経百三十九度四十五分と五十分の
間というところでしょう」
これを聞いて、女は尋ねた。
「失礼ですが、ご職業はエンジニアでいらっしゃいませんか?」
「そうです。なぜわかったのですか?」
「今いただいた情報はきっと理論的には正しいのでしょうけれど、数字は解釈の
仕方がわからないと役に立ちません。現に私は相変わらず迷っていて、問題は
何も解決されていないからです」
すると、男はこう言った。
「あなたは、プロジェクトマネージャーでいらっしゃいませんか?」
「ええ、そうですが、なぜおわかりに?」
「まず、あなたは自分が今いる位置も、自分が向かっている方向もわかっていない。
さらに、守れもしない約束を自分でしておきながら、私に問題解決を求めている。
要するに、置かれている状況は私と会う前とまったく変わっていないのにもかかわらず、
あなたは、さりげなく全部私のせいにしているからです」